シーン12:三日目、13時
フォッフィーが召喚した自然の力を宿した巨大な獣の統率により、強大な力となった狼の群れが少女へなだれ込む。
それはまさしく自然の怒りの濁流、騎士団の小隊ならば何の抵抗もできずにただ轢き倒されていくであろう力の奔流。
隙間には菌糸と樹木が入り込み、休む暇も与えない。
周囲の瓦礫ごと、そこにあったすべてを塵に変えるようなすさまじい攻撃。
しばらくは土煙が晴れることはなかった。
しばらくして、視界が晴れてくる。
はたして、彼女はそこにいた。
地面に倒れ伏し、球状のバリアも見る影もない。
しかし、彼女はそこにいた。
無傷で。
再び狼たちを攻勢に出させようとするフォッフィーに対し、巣主スリヴァーから声がかかる。
《次元渡りの同胞よ、そなたの自然を壊された怒りはもっともだ。だがしかし、どうかしばし静まってもらえないだろうか?再生と復旧は我が約束しよう。》
クロの袂から置物がぴょこぴょこ跳ねながら少女のもとへ向かう。
置物が少女の抱える水晶に触れた瞬間、そこに大きな怪物……巣主スリヴァーが姿を現した。
スリヴァーはその鎌のような手で少女をたたく。
一見、すぐにでも首を刈り取られそうな光景。しかし少女へは傷一つつかず、逆にスリヴァーの鎌が弾かれているようだった。
「……ふわぁ……パパ?」
《娘よ、目覚めで悪いが、おぬしのせいでこの地が荒れてしまった。この地を治しなさい。自然も、人も、物も、いつも以上にな。》
少女はしばらく呆けた後、こくんとうなずき何かの言葉を口にしだした。
まず、少女の周りに岬で見た石が現れた。
その力を循環させ、次に鎌を持った蔓に覆われたような女性が浮かんだ。
その隣には、星空の塊のような四本腕の男性が浮かんだ。
さらにその隣には水瓶を持った彫刻のような女性が浮かんだ。
瞬く間に荒れた台地からは草木が生え、やがてそれは森となり、四方八方に生い茂っていく。
ただ生えるのではなく、それぞれが邪魔をしないように、下草から大木まですべてが共生できるように広がっていく。
街道の脇には清流が生まれ、その周囲も一面が緑に覆われていく。
瓦礫と化した家々は修復され、ぼろぼろになった道も直されていく。
そのすべてが、あなたたちがこれまで見たものより多く、広く、高くなっていった。
彼らが消え、入れ替わりにまた2つの人型が浮かんだ。
片方は木材で作られた杖を持ち、もう片方は黒く黄金の柄を持つ鞭を手にしている。
杖からは光の玉のようなものが流れ、町の隅々にまで漂っていく。
その一つ一つを鞭が撫でていくと、それはどこからか肉をまとい次々に町の住人の姿をまとっていく。
太陽が少し傾くころには、元通り以上になった町と自然が生まれていた。
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新しい町の入口、そこにあなたたち4人と1体はいた。
「えーと……ありがとー、ございましたー?」
少女があなたたちに礼を言う。その声はまだ眠そうな雰囲気だ。
《我からも改めて礼を言わせてもらう。事態を沈めていただき感謝する。》
巣主スリヴァーからも声がかかる。この声は一体どこから発せられているのだろうか。
《我々はここを発つ。これ以上いて何か起こしてもいかんのでな。》
そういうと、巣主スリヴァーの体が虹色に光る。
収まった時には姿はなく、少女の肩に見覚えのある置物が乗っかっていた。
《ああそうだ、こんなことを言うのも妙な話なのだが、おぬしらに一つ頼みがある。なに、そうかかるものではない。》
声はやはり置物から聞こえる。移動体形のようなものなのだろう。
《娘に、名前を付けてやってくれないか?》
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フォッフィーが召喚した自然の力を宿した巨大な獣の統率により、強大な力となった狼の群れが少女へなだれ込む。
それはまさしく自然の怒りの濁流、騎士団の小隊ならば何の抵抗もできずにただ轢き倒されていくであろう力の奔流。
隙間には菌糸と樹木が入り込み、休む暇も与えない。
周囲の瓦礫ごと、そこにあったすべてを塵に変えるようなすさまじい攻撃。
しばらくは土煙が晴れることはなかった。
しばらくして、視界が晴れてくる。
はたして、彼女はそこにいた。
地面に倒れ伏し、球状のバリアも見る影もない。
しかし、彼女はそこにいた。
無傷で。
再び狼たちを攻勢に出させようとするフォッフィーに対し、巣主スリヴァーから声がかかる。
《次元渡りの同胞よ、そなたの自然を壊された怒りはもっともだ。だがしかし、どうかしばし静まってもらえないだろうか?再生と復旧は我が約束しよう。》
クロの袂から置物がぴょこぴょこ跳ねながら少女のもとへ向かう。
置物が少女の抱える水晶に触れた瞬間、そこに大きな怪物……巣主スリヴァーが姿を現した。
スリヴァーはその鎌のような手で少女をたたく。
一見、すぐにでも首を刈り取られそうな光景。しかし少女へは傷一つつかず、逆にスリヴァーの鎌が弾かれているようだった。
「……ふわぁ……パパ?」
《娘よ、目覚めで悪いが、おぬしのせいでこの地が荒れてしまった。この地を治しなさい。自然も、人も、物も、いつも以上にな。》
少女はしばらく呆けた後、こくんとうなずき何かの言葉を口にしだした。
まず、少女の周りに岬で見た石が現れた。
その力を循環させ、次に鎌を持った蔓に覆われたような女性が浮かんだ。
その隣には、星空の塊のような四本腕の男性が浮かんだ。
さらにその隣には水瓶を持った彫刻のような女性が浮かんだ。
瞬く間に荒れた台地からは草木が生え、やがてそれは森となり、四方八方に生い茂っていく。
ただ生えるのではなく、それぞれが邪魔をしないように、下草から大木まですべてが共生できるように広がっていく。
街道の脇には清流が生まれ、その周囲も一面が緑に覆われていく。
瓦礫と化した家々は修復され、ぼろぼろになった道も直されていく。
そのすべてが、あなたたちがこれまで見たものより多く、広く、高くなっていった。
彼らが消え、入れ替わりにまた2つの人型が浮かんだ。
片方は木材で作られた杖を持ち、もう片方は黒く黄金の柄を持つ鞭を手にしている。
杖からは光の玉のようなものが流れ、町の隅々にまで漂っていく。
その一つ一つを鞭が撫でていくと、それはどこからか肉をまとい次々に町の住人の姿をまとっていく。
太陽が少し傾くころには、元通り以上になった町と自然が生まれていた。
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新しい町の入口、そこにあなたたち4人と1体はいた。
「えーと……ありがとー、ございましたー?」
少女があなたたちに礼を言う。その声はまだ眠そうな雰囲気だ。
《我からも改めて礼を言わせてもらう。事態を沈めていただき感謝する。》
巣主スリヴァーからも声がかかる。この声は一体どこから発せられているのだろうか。
《我々はここを発つ。これ以上いて何か起こしてもいかんのでな。》
そういうと、巣主スリヴァーの体が虹色に光る。
収まった時には姿はなく、少女の肩に見覚えのある置物が乗っかっていた。
《ああそうだ、こんなことを言うのも妙な話なのだが、おぬしらに一つ頼みがある。なに、そうかかるものではない。》
声はやはり置物から聞こえる。移動体形のようなものなのだろう。
《娘に、名前を付けてやってくれないか?》
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リンク
【まとめページ】
http://jittegame.diarynote.jp/201805061026445246/
【ルールページ】
http://leveler.diarynote.jp/201804172303266378/
【前】
http://jittegame.diarynote.jp/201807122147012803/
【次】
コメント
計略
望んだカードがデッキトップにおいてある
んじゃないかな?
不慣れなゲーム進行に最後までお付き合いいただき、GMとしてただひたすら感謝いたします。
後日、未探索・未選択のイベントなど含め、シナリオのネタばらしをさせていただく予定です。
あと、本当に名前募集してます。
スリヴァーの娘との戦闘後、樹木が生い茂っていく様を見ながら、フォッフィーは魔力との繋がりを切った。
すると、無数にいた狼の群れは消え、フォッフィーの表情も、本来の穏やかなものとなる。
「破損区域は修復され、元凶も何処かへ行くというのであれば、もうこの依頼は達成ね。
証みたいなものはないけれど、この状態を見れば、町長も納得するでしょう。」
自分の手が加わらなくとも、自然を保てるというのであれば、これ以上この次元に留まる必要はない。
フォッフィーは、別の次元へ向かう為、依頼を終わらせる報告を町長にするべく、冒険者仲間に移動を促した。
巣主スリヴァーの願いも、耳を素通りした様だ。
(とは言ったものの・・・)
この次元にもエルフはいるが、ほとんどが人間との共存を望んでいる様子だった。
環境破壊はしないだろうが、それでも“見護る者”は必要だろう。
それに、この次元で仲間達と過ごしたという記念も残したいとも思う。
フォッフィーは誰にもバレない様に、あとでツリーフォークの苗木を1000本ほどばら撒こうと心に決め、悪戯っぽい笑みを浮かべた。
GMを務めてくださった梅澤の十手さん、参加者のレベラーさんと風見さん、本当にありがとうございました。
判定に失敗しまくるわ、冒険中のMTG行動が全くの無意味で、ただ戦闘が不利に働いただけだったわと、私は散々な立ち回りになってしまいましたが、一先ずホッとしました。
後日あるというネタばらしも楽しみです。
なんて話の分かるスリヴァーなんだ・・・・
とかともおもったけど女王もカーンと話し合いができる固体でしたね上位種は賢い。
そして、テストシナリオに参加してただき、ありがとうございました!!
フォッフィーの狼軍団による、大迫力の幕切れでしたね!!
クロも、冒険パートで終始主人公的な活躍で、カッコよかったです!
シナリオのネタ晴らしも、非常に楽しみです!
ギミック的に言うと、ボスデッキが手元にある別のデッキでも使用可能なシナリオとかでしょうか?
●ロールプレイ
「フォッフィー=サン! クロ=サン!
やりましたね!」
戦いは終わった。
正気を取り戻した少女の力で、世界は力を取り戻しつつあるようだ。
「私も、少し再生させるのです!」
シードベッドは《収穫期》を唱えて、周囲の自然の回復を促進する。
そして、少女の名前については――
「ウーン
神のような力を持っているので、
ヨコヅナ=チャンなんてどうでしょう?」
どこかの次元にいる、神の憑代となる強い戦士の長だ!!
・全色使用する上、登場時のイラストが海底にいる描写だったので、『マカラ』。
(マルチカラーの略であり、マカラはインド神話の怪魚)
・終始眠そうで、今回のイラストがもこもこ毛布ですから羊を連想させます。
さらにはさすらう様子でもあり、神を使っていた事から、ストレイ・シープ(迷える子羊)を縮めて『レイシー』。
一応この2つが候補でしたが、『ヨコヅナ=チャン』のインパクトが凄過ぎて、かすれてしまいますね。(笑)
>生息条件(島)さん
考えていただき、ありがとうございます。
ヨコヅナが名字っぽいのと名前にするには難しそうだったので、合わせて使用させていただきます。
命名:マカラ=ヨコヅナ
採用頂き、ありがとうございます。
なんか、ハワイ辺りの日系人にいそうですね。(笑)
クロ「ん~・・・ここは故郷ドミナリアは自然豊かなジャムーラに吹く吹く熱風からとって・・・サイムーンと名付け・・・」
シードベッド「ヨコヅナ!」
フォッフィー「マカラ!」
マカラ=ヨコヅナ「:マカラ=ヨコヅナちゃんだよ!」
クロ「いいんじゃないかな?」
ペロッ!
この味は、ドラゴンが嘘をついている味だ!
とかですかね!?